みなさん、こんにちは。
今回は帰国子女とは何かについて、記事を書いていこうと思います。
保護者の方からよくいただく質問の一つが、「そもそも帰国子女とは、どんな子を指すんですか?」というものです。
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「うちの子も帰国子女と名乗っていいのかな?」
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「何年くらい海外にいたら帰国子女になるの?」
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「帰国子女だと、学校や受験で有利・不利はあるの?」
こんな疑問やモヤモヤを、この記事でまとめてスッキリ解消していきます。
この記事では、
帰国子女とは何かという基本的な意味から、日本の学校生活でのリアルな悩み、そして英語力をどう維持・伸ばしていくかまで、できるだけわかりやすくお伝えします。
帰国子女とは?図解で解説

帰国子女とは?まずは基本的な意味と定義をおさえよう
一般的に言われる「帰国子女」のイメージ
まず結論からお伝えすると、「帰国子女とは○○と法律で決まっている」という明確な法律上の定義はありません。
一般的には、
「保護者の海外赴任や留学などに伴って、海外で一定期間教育を受け、その後日本に帰ってきた子ども」
をまとめて「帰国子女」と呼ぶことが多いです。
つまり、
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親の転勤で1〜2年海外の現地校・インター校に通っていた子
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小学校〜中学校の数年間を海外で過ごした子
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自分自身の留学で高校の一部を海外で過ごした子
など、かなり幅広いケースが「帰国子女」に含まれます。
何年・どの時期海外に住めば帰国子女と言える?
保護者の方が気にされるのが「何年以上海外にいれば帰国子女と言えるのか」という点ですが、実はここにも統一ルールはありません。
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学校や入試要項では「小学校の○年以上を海外で過ごした児童」
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「帰国後○年以内の者」
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「海外の学校に継続して○年以上在籍」
など、それぞれ独自の条件を定めている場合があります。
大まかな目安としては、
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義務教育期間(小中)の一部を海外で過ごし、帰国した子ども
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場合によっては、幼稚園〜高校までの幅広い年齢も含む
くらいのイメージで捉えておくと良いでしょう。
法律上の定義ではなく「教育上の呼び方」としての帰国子女
もう一つ大事なのは、「帰国子女」という言葉は、教育・学校の文脈で使われる“呼び方・区分”であるという点です。
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入試で「帰国子女枠」を設ける
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学校の受け入れ体制を考える
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児童・生徒のバックグラウンドを理解する
といった目的で使われることが多く、
「帰国子女=特別な存在」というより、**「海外で暮らした経験のある子どもたちを理解し、サポートするためのラベル」**と考えるとイメージしやすいと思います。
帰国子女によく見られる特徴3つ(言語・学習・価値観)
「帰国子女」と一口に言っても、育った国・期間・学校の種類によって、本当に一人ひとり違います。
そのうえで、現場でよく見られる共通点を3つだけ整理してみます。
英語など外国語の習得度合いの違い
まず気になるのが「英語力」などの語学力でしょう。
ただし、帰国子女=みんな英語ペラペラ、TOEIC高得点というわけではありません。
よくあるパターンとしては、
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現地校に長く通い、日常会話はほぼネイティブレベル
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インターナショナルスクールでアカデミックな英語に強い
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家では日本語が中心で、英語は学校や友だちとの会話だけ
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小さいうちに帰国し、英語は「聞けばなんとなくわかる」程度
など、かなり幅があります。
ポイントは、
「帰国子女だから自動的に英語ができる」のではなく、
その子が過ごした「環境」と「期間」によって大きく違う
ということです。
日本の教科内容とのギャップと得意・苦手
学習面では、次のような特徴が見られがちです。
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算数・数学はどの国でも学ぶ内容が似ているため、比較的スムーズに馴染めることが多い
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社会、国語(特に漢字・読解)は、日本特有の内容が多く、ギャップが大きくなりやすい
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英語は「話せるのに文法・単語テストは苦手」「逆にテストは得意だが話すのは苦手」などアンバランスになりやすい
「成績がいい/悪い」という単純な話ではなく、
どの教科でどんなギャップが起きやすいかを知っておくと、帰国後のフォローがしやすくなります。
多様な価値観・コミュニケーションスタイル
帰国子女の大きな強みの一つは、多様な価値観に触れていることです。
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クラスの中でいろいろな国籍・宗教・文化の友だちがいた
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授業で自分の意見をはっきり言うのが当たり前という環境だった
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人によって考え方が違うのは普通、という感覚を持っている
その一方で、日本の学校に戻ると、
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「空気を読む」「みんなに合わせる」ことが重視されて戸惑う
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自分の意見を言ったら「出しゃばっている」と感じられるのでは…と心配になる
というギャップも生まれがちです。
ここは、保護者や先生が理解してあげたいポイントです。
帰国子女が日本の学校で直面しやすい悩み
続いて、実際に日本の学校で起こりやすい“つまずきポイント”を見ていきます。
日本語の読み書き・授業スピードについていけない
帰国子女の相談でとても多いのが、日本語の読み書きと授業スピードの問題です。
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漢字の書き取りや国語の文章題が極端に苦手
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社会科の用語・地名・歴史人物がまったく頭に入っていない
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授業の板書をとるスピードが周りより遅い
など、「日本語で学ぶ基礎体力」が十分に育つ前に海外に行き、そのまま帰国した場合に起こりがちです。
ここで誤解してほしくないのは、
**「頭が悪い」のではなく、「経験してきた学びの順番が違うだけ」**ということです。
焦らず、必要な部分を少しずつ補っていけば十分追いついていけます。
友だち関係と「どこ出身?」と聞かれるモヤモヤ
帰国直後に多いのが、友だちとの距離感に関する悩みです。
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「外国から来た子」として少し特別視される
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「日本人っぽくない」と言われて戸惑う
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「どこ出身なの?」と聞かれて、うまく説明できずモヤモヤする
特に、海外生活が長かった子ほど、
自分は日本人なのか、外国人なのか、どこに属しているのかといった感覚が揺れることがあります。
このとき保護者が、
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「あなたはどこ出身でもいい。あなたらしさが大事だよ」
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「海外で過ごした時間も、日本にいる時間も、全部あなただからね」
といったメッセージを伝えてあげることが、とても心強い支えになります。
自分は日本人?外国人?アイデンティティの揺れ
思春期に重なって帰国した場合、
アイデンティティの揺れはより強くなりやすいです。
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海外にいるときは「日本人」として見られていた
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日本に戻ると「帰国子女」「外国っぽい」と見られる
どこにいても「ちょっと違う存在」と感じてしまい、理由のない生きづらさを抱える子もいます。
このとき大切なのは、「どちらかを選ばせない」ことです。
日本と海外、両方の文化を知っているからこそ見える景色がある。
それは、将来必ずあなたの強みになる。
というメッセージを、周りの大人が何度も伝えてあげてください。
保護者ができる帰国子女サポートのポイント
では、保護者として具体的に何ができるでしょうか。
現場で効果的だと感じるポイントを3つに絞ってお伝えします。
日本語と英語のバランスをどう整えるか
帰国後は、「日本語力の底上げ」と「英語力の維持・伸長」を両立する必要があります。
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家庭での会話は、子どもが一番リラックスして話せる言語をベースに
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漢字・読解・語彙など、日本語の基礎はコツコツ補強
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英語は“遊び”だけでなく、“学び”として続ける場も確保
というイメージです。
どちらか一方に振り切るのではなく、
子どもの将来の選択肢を広げるためのバランスを意識できると理想的です。
子どもの気持ちを言葉にして一緒に整理する
帰国子女の子どもたちは、言葉にしきれない気持ちをたくさん抱えています。
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「日本の学校、なんか疲れる」
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「友だちと話していても微妙にズレる気がする」
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「前の国のほうがよかったかも」
こうした“ざらざらした感情”を、
「わがまま」や「反抗期」と片付けず、一度受け止めてあげることが大事です。
保護者が、
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「そう感じるんだね。どんなときに一番そう思う?」
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「それって、こういうことかな?」と気持ちを言葉にしてあげる
といった対話を重ねると、子ども自身も少しずつ自分の気持ちを整理できるようになります。
学校・先生との情報共有と相談のコツ
帰国子女のサポートには、学校との連携も欠かせません。
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海外で過ごした期間・学校の種類(現地校/インターなど)
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使用していた言語(授業・家庭・友だちとの会話)
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得意教科・苦手教科、お子さんの性格
といった情報を、最初に整理して伝えておくと、先生も配慮しやすくなります。
一方で、「全部学校任せ」にしてしまうと、先生側もどうサポートしていいか迷ってしまうことがあります。
「わが家はこういう点を大切にしたい」という方針を、できる範囲で共有するのがおすすめです。
帰国子女の英語力を維持・伸ばす学習法
最後に、多くの保護者が一番気にされる「英語力の維持・伸長」についてです。
帰国直後〜1年目に意識したい「環境づくり」
帰国して最初の1年は、生活自体に慣れるだけでも大仕事です。
この時期は、
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英語を無理に詰め込むより、「英語に触れ続ける環境」をつくる
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英語の絵本・動画・音声など、“負担の少ないインプット”を日常に組み込む
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週1〜2回でも、英語で話す時間を確保する
といったゆるやかな継続を意識してみてください。
英語を「テスト対策」から「強み」に変える勉強法
ある程度落ち着いてきたら、英語を「テストのための教科」ではなく、
「将来の強み」や「好きなことにつながるツール」として捉え直すことが大切です。
例えば、
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子どもの興味(ゲーム・スポーツ・音楽など)に関する情報を英語で見てみる
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英語で日記を書いてみる
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海外の友だちとオンラインでつながる機会をつくる
など、「英語を使って楽しいことをする」経験を増やしていくと、モチベーションが長続きします。
オンライン英語スクールを活用するメリットと選び方
帰国子女にとって、オンライン英語スクールは非常に相性が良い学習方法です。
メリットとしては、
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帰国前に通っていたインターや現地校のレベルに近い授業を受けやすい
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自宅から受講できるので、日本の学校や部活と両立しやすい
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「帰国子女の子どもを多く見ている先生」を選べる場合もある
などが挙げられます。
選ぶときのポイントは、
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帰国子女の受講実績や、講師の理解度があるか
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会話だけでなく、リーディング・ライティングもカバーしてくれるか
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子どものレベルや性格に合わせてカリキュラムを調整してくれるか
このあたりをチェックしてみてください。
体験レッスンを活用し、「この先生となら続けられそう」とお子さん自身が感じるかどうかも、とても重要です。
帰国子女とは?よくある質問(FAQ)
Q1. 帰国子女とは、最低何年くらい海外にいれば名乗ってよいのでしょうか?
A1. 「何年以上」という共通ルールはありません。学校や入試要項によって条件は異なりますが、一般的には義務教育期間の一部を海外で過ごして帰国した子どもを指すことが多いです。受験で「帰国生入試」を考える場合は、志望校の条件を必ず確認してください。
Q2. 幼稚園のときだけ海外にいて帰国しました。これも帰国子女とは言えますか?
A2. 幼少期のみの海外経験でも、「海外で生活した経験がある子」として広い意味では帰国子女と呼べます。ただし、学校の制度(帰国生枠など)では、幼稚園のみの海外経験は対象外となることもあるため、こちらも各校の条件を確認しましょう。
Q3. 帰国子女とは、必ず英語がペラペラな子どもを指しますか?
A3. いいえ、そうとは限りません。英語力は、滞在期間・学校の種類・家庭での言語環境によって大きく変わります。「帰国子女=英語が完璧」というイメージにとらわれず、その子の実際のレベルに合わせてサポートすることが大切です。
Q4. 帰国子女とは、受験で必ず有利になる立場なのでしょうか?
A4. 確かに「帰国生入試」など、帰国子女向けの入試制度がある学校も多いですが、必ずしもすべてが有利というわけではありません。日本語(国語)や日本の教科内容にギャップがある場合、そのフォローが必要です。「有利・不利」というより、「経験をどう活かすか」がポイントと考えてください。
Q5. 帰国子女とはいえ、子どもが自分のことをそう呼ばれたくないと言っています。どうしたらいいですか?
A5. 「帰国子女」というラベルに抵抗を感じる時期もあります。無理に名乗らせる必要はありません。まずは、
「海外で過ごした経験は、あなたの一部であり、良い悪いではなく、とても貴重なものだよ」
というメッセージを伝えつつ、子ども自身がどう感じているかを丁寧に聞くことから始めてみてください。
まとめ:帰国子女とは「特別なレッテル」ではなく、可能性を広げる経験
最後に、この記事の要点を簡単に整理します。
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帰国子女とは、海外で一定期間教育を受けたのち、日本に帰国した子どもを指す教育上の呼び方で、法律上の厳密な定義はない。
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英語力や学力、性格・価値観は一人ひとり違うが、多文化を知っているという大きな強みを持っている。
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日本語・教科内容・友人関係・アイデンティティなど、帰国後に戸惑いやすいポイントがあるため、保護者と学校の理解・連携が重要。
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日本語と英語のバランスを意識しつつ、英語を「テストのため」から「将来の強み」へと育てていく視点が大切。
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オンライン英語スクールなども活用し、子どもが自分らしく経験を活かせる環境づくりをしていくことがポイント。
帰国子女とは、「特別な人種」でも「ラベルを貼るための言葉」でもありません。
海外での生活という貴重な経験を通じて、世界の見え方が少し広がった子どもたちのことです。
保護者としてできる一番のサポートは、
「あなたの経験は、全部宝物だよ」
と伝え続けることだと、私は考えています。
もし「うちの子のケースだとどう考えればいい?」という具体的な悩みがあれば、
学校の先生や教育相談窓口、帰国子女の受け入れ実績があるオンライン英語スクールなどに、気軽に相談してみてください。
今日できる一歩として、まずはお子さんと「海外での思い出」をゆっくり話してみるところから始めてみましょう。
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